五術

季刊五術より その11

【五術における六親】  佐藤六龍著
(会報誌:季刊「五術」平成18年12月号掲載文から抜粋 前篇)

「六親」は、五術上では子平術の変通星、六壬・五行易の虚星(五類)をさしますが、一般では親族の意にとって使用しています。両親・兄弟姉妹・子女・配偶者を六親と言います。ここでは、一般の親族の意です。
中国は昔から、この六親を大切にする風習があり、特に先祖を祭る、家を守るという考えから、男の子を重要視します。そこから、命が占術では、この六親をみる方法が必ず入っています。しかし、これがしっかりした定義なり、占術上の原則なりが明確にされていないのです。さらに困った事は、中国はいざ知らず日本で は、まったく家族制度というものが、昔にくらべて崩壊してしまっています。故に、よほどしっかりした常識をもって、この五術上の六親を考えないといけません。
最近にいたっては、この六親の障害事件が数多くあります。子は親を、親は子を、夫は妻を、妻は夫を――という現状です。
子供の障害事件の場合、障害された子、した者、その子の親の三者の運の吉凶。夫が妻を殺害した時、夫の運、妻の運――を云々しています。

いったい六親のこうした吉凶の事象は、命の上ではどうか?――ということです。
まず、ここではっきり言えることは、「六親の吉凶、良悪は命には出ない」ということです。つまり、ある命式をみた時に、そこに出ている六親は、六親そのものの吉凶良悪ではない、ということなのです。そこに出ているのは、「六親とその命式の人との縁の厚薄のみ」なのです。
ですから、六親の運の吉凶は一切出てないのです。命の占術で、子女運がよいということは、頭のよい子、出来のよい子、というのではなく、子女縁がある、ということですから、拡大解釈して、自分から(命式の人)見てよく見える子、頭がよいと感じられる子、というのはありますが、本当によい子なのか、本当に頭の よい子なのかは、その子の命を見なければわからないのです。

これは、両親でも夫妻でも兄弟姉妹でも同じです。
それを一般の人は勘ちがいしているのです。その勘ちがいから、親が死んだ。子が殺された、すべて自分の運の凶さのように思っているのです。親が死亡するのは親の命で あって、子供の命式に親の死が出たら大変です。子供が殺された場合、殺される事が運の凶さかどうかは、別にして、親の命式には何の関係もないのです。