五術

測字のお話(3)

其の1
「欠」の字を書いて子供の事を問いました。「明日男子を出産するであろう。この子は最初の子ではない筈」
時に十月十日でした。翌日その人が来て「先生の神占、はたして家では今日、一男子を得ました。これは次男です。
どうして先生はこれを知ったのですか?」
「欠の字に両点を加えると次の字になる。これは第一番目でない事を知る。今日十一日である。欠の字に十一を加
えると坎の字になり、易理では坎を中男とする、とあるから今日男子を得た事を知ったのである」

其の2
ある人が「瓦」の字をもって、無尽がおとせるか否かを問いました。
「瓦は人の頭の上にあるものである。おそらく一番高くとれるであろう。字形は二十九である。あなたは二十九点
をもって無尽に臨めばよい」
その人は疑いながら行きました。のちに来て「はたして二十九点でおとせました。先生は実に神仙である」と。

其の3
張欣写が「字」と書いて、長男の病気が危いのを相字者に間いました。
「字の始めに書くウ冠りは、家の字頭で、その下に子があり、家の中に子供が在る象で妨げはありません」
張欣写は安心して、友人と談にうつりました。ところがその友人が煙草に火をつけようとして、そのつけ木を「字」
と書いてあった紙の上におとしてしまいました。友人はあわてて火を消しました。相字者はそれを見ていて、
「書いてある紙の”字”の下の”子”が、焦げてなくなりました。子息がなくなる兆、火(つけ木)が子を消すと
いうことは、災(火が字の下にくる)となり、何か変事があるでしょう。
後にこの子息は、一度は病気は癒えたのですが、再び病いを得て死亡しました。

其の4
親族五人が郷試を受けに来て、試験場前の相字者に、誰が合格するかを「孟」を書いて間いました。
「子は北をあらわし、北の皿で北方から来た人。しかも「孟」は孟仲季の孟で、一番上や最初という意の字、
つまり北方から来た長男の人が合格するであろう」